冷え・便秘にアプローチ 家族みんなで美味しく続く「まごわやさしい」習慣
忙しい毎日でも体の中から整えるヒント
ご家族のために毎日忙しく過ごされている中で、ご自身の体調は後回しになっていませんでしょうか。特に40代は体の変化を感じやすい時期でもあります。冷えや軽い便秘といった小さな不調が、日々のパフォーマンスに影響を与えることも少なくありません。過去に様々な健康法を試みたものの、なかなか続かなかったという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
「わたしのバランス習慣」では、食とウェルビーイングを統合し、ご自身の生活に無理なく取り入れられる習慣作りをサポートしたいと考えています。この記事では、日本の伝統的な食の知恵である「まごわやさしい」に注目し、これを日々の食卓に美味しく、そして継続的に取り入れることで、冷えや軽い便秘といった体調の改善を目指す方法についてご紹介します。家族みんなで美味しく楽しめる工夫も交えながら、体の中からバランスを整えるヒントを探っていきましょう。
「まごわやさしい」とは? 体質改善との繋がり
「まごわやさしい」とは、健康的な食生活を送る上で積極的に摂りたい7つの食品群の頭文字を取った言葉です。それぞれの食品群が持つ栄養素と、それがどのように体質改善、特に冷えや軽い便秘といった悩みにアプローチできるのかを見ていきます。
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ま:豆類(豆腐、納豆、味噌など) 良質なたんぱく質が豊富で、体の基礎を作る上で重要です。また、食物繊維も含まれており、お腹の調子を整える手助けとなります。発酵食品である味噌や納豆は、腸内環境をサポートすることでも知られています。
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ご:ごま類(ごま、ナッツ類) ミネラルやビタミン、良質な脂質を含みます。特にナッツ類には食物繊維も豊富です。これらの栄養素は体の巡りをサポートし、冷えが気になる方にもおすすめです。
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わ:わかめ(海藻類:ひじき、昆布、のりなど) ミネラルや食物繊維を豊富に含みます。特に水溶性食物繊維は、便通をスムーズにすることに役立ちます。また、海藻類に含まれるミネラルは、体の代謝をサポートする役割も担います。
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や:やさい(緑黄色野菜、淡色野菜) ビタミン、ミネラル、食物繊維の宝庫です。体の機能を正常に保ち、免疫力をサポートします。様々な種類の野菜を摂ることで、多様な栄養素をバランス良く摂取できます。食物繊維は便秘ケアに不可欠です。
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さ:さかな(魚介類) DHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸が豊富です。これらの良質な脂質は体の巡りに関わり、体を温かく保つための一助となる可能性が考えられます。また、たんぱく質源としても優れています。
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し:しいたけ(きのこ類:しめじ、えのき、エリンギなど) 食物繊維やビタミンDを多く含みます。食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ち、ビタミンDは骨の健康をサポートするだけでなく、免疫機能との関連も指摘されています。
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い:いも類(さつまいも、じゃがいも、里芋など) 炭水化物源であると同時に、食物繊維やビタミンCを含みます。特に皮付きのまま調理することで、より多くの食物繊維を摂取できます。ゆっくりと消化されるため、腹持ちが良いのも特徴です。
これらの食品群をバランス良く摂ることは、単に栄養を補給するだけでなく、腸内環境を整え、体の巡りを良くし、体温維持に必要な栄養素を供給するなど、体質改善に多角的にアプローチすることに繋がります。特に冷えや軽い便秘といった悩みは、食生活の乱れや栄養バランスの偏りが原因となっていることも多いため、「まごわやさしい」を意識することは有効な手段と言えるでしょう。
忙しい日でも無理なく取り入れる「まごわやさしい」の工夫
「まごわやさしい」が良いと分かっていても、忙しい毎日の中で全ての品目を完璧に取り入れるのは難しいと感じるかもしれません。大切なのは、完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ取り入れることです。ここでは、忙しい日でも実践しやすい簡単な工夫をご紹介します。
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いつもの味噌汁にプラスワン: 朝食や夕食の味噌汁に、乾燥わかめやきのこ(乾燥しいたけや冷凍きのこ)、豆腐、油揚げ(豆類)などを加えるだけで、「まごわやさしい」の要素を簡単に増やすことができます。具沢山にすることで、満足感も得られます。
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納豆や豆腐を食卓に常備: 「ま」の代表格である納豆や豆腐は、パックを開けるだけで食べられる手軽さが魅力です。冷蔵庫に常備しておけば、あと一品欲しい時や、たんぱく質を補いたい時にすぐに利用できます。刻みねぎやごまを加えれば、「や」や「ご」も同時に摂取できます。
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乾物・冷凍食品を賢く活用: 乾燥わかめ、ひじき、切り干し大根、高野豆腐、乾燥きのこなどは、常温で長期保存でき、水で戻すだけで使えます。冷凍野菜や冷凍きのこも、下ごしらえの手間が省け、必要な時に必要なだけ使えるので便利です。これらを上手に活用することで、手軽に「わ」「し」「や」「ま」を食卓に取り入れることができます。
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ごはんを炊くときにアレンジ: 白米にもち麦(食物繊維)や雑穀(ま、ご、い)を混ぜて炊いたり、さつまいもやきのこを加えて炊き込みご飯にしたりするのも良い方法です。主食から「ま」「ご」「い」「し」「や」の要素を無理なく摂取できます。
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簡単な副菜をルーティンに: ほうれん草のおひたしにごまをかける(や、ご)、きのこのソテー(し)、きんぴらごぼう(や、ご)、ひじきの煮物(わ、ま、や、い)など、作り置きできる簡単な副菜をいくつか用意しておくと便利です。少量でも良いので、毎食どれか一品を取り入れるように意識してみましょう。
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おやつや間食を見直す: 市販のお菓子ではなく、焼き芋(い)、ナッツ類(ご)、果物(や)、小魚(さ)、豆乳や甘酒(ま)などを選ぶことで、無理なく「まごわやさしい」を補うことができます。
家族みんなで美味しく楽しむ工夫
ご自身の体調のためだけでなく、「まごわやさしい」の考え方を家族の健康のためにも取り入れていきましょう。家族みんなで美味しく食べる工夫をすることで、食卓がより豊かな時間になります。
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子供も食べやすい調理法: 魚の骨を取り除いたり、野菜やきのこを細かく刻んでハンバーグやオムレツに混ぜ込んだり、豆類をペースト状にしてスープに加えたりするなど、食べやすい工夫をしましょう。ごまはすりごまにすると風味がアップし、和え物やごはんに混ぜやすくなります。
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一緒に作る時間を作る: 週末などに、家族で一緒に簡単な料理やおやつを作る時間を作るのも良いでしょう。子供に野菜を洗ってもらったり、きのこを割いてもらったりするなど、無理のない範囲でお手伝いを頼むことで、食への関心を高めることができます。
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食卓での会話を大切に: 「今日のお味噌汁のわかめ、美味しいね」「この豆、ホクホクしてるね」など、食卓に並んだ食材について話題にするのも楽しい時間です。「まごわやさしい」を意識していることを伝えれば、家族も自然と関心を持つかもしれません。
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献立に彩りを意識: 様々な色の野菜や食材を取り入れることで、見た目も華やかになり、食事がより楽しくなります。彩り豊かな食卓は、「まごわやさしい」の多くの要素を満たしていることが多いものです。
継続するためのヒント
過去に健康法が続かなかった経験がある方にとって、新しい習慣を定着させることは一つの壁かもしれません。しかし、「まごわやさしい」を取り入れることは、特別なことではなく、日々の食生活の中で少し意識を変えることから始められます。
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完璧を目指さない: 毎日7品目全てを揃える必要はありません。今日は「ま」と「や」、明日は「わ」と「さ」というように、数日かけてバランスが取れれば十分です。ハードルを上げすぎず、「できたこと」に目を向けましょう。
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小さな変化を楽しむ: 「まごわやさしい」を意識し始めてから、お通じが少しスムーズになった、体が以前より冷えにくくなった、といった小さな変化を感じることがあるかもしれません。これらの変化に気づくことが、継続へのモチベーションに繋がります。
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記録をつけてみる: 食べた「まごわやさしい」の品目を簡単なメモやアプリで記録してみるのも良い方法です。自分がどのような品目を摂れていないのか、バランスが取れているかを客観的に把握できます。
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「頑張っている自分」を労わる: 家族のために頑張るあなた自身を、食を通じて労わる時間を持つことも大切です。「まごわやさしい」を取り入れた食事は、まさに自分自身への栄養補給であり、体と心へのギフトです。
まとめ
冷えや軽い便秘といった体調の悩みは、日々の小さな積み重ねで少しずつ改善に向かうことがあります。「まごわやさしい」の考え方を日々の食卓に取り入れることは、体に必要な栄養素をバランス良く摂りながら、体の中からバランスを整えるための一歩となります。
完璧でなくても大丈夫です。忙しい毎日の中でも、できることから少しずつ、楽しみながら実践してみてください。そして、その変化をご家族と一緒に分かち合い、健康的な食習慣を家族みんなで育んでいくことが、無理なく継続するための鍵となるでしょう。
この情報が、ご自身の、そしてご家族の健やかな生活の一助となれば幸いです。